このブログは
http://miyajiguitars.jugem.jp/?eid=337 の続きです。
木材加工の建物と塗装工程の建物など、それぞれは別棟になっており、徹底して粉塵等が混入しないように管理されています。
また有害物質が生じる可能性がある塗装ブースには法的に義務つけられている排気システムの他、自社でさらに空気を清浄化する換気システムも導入。
他にも社員の健康管理のため、健康診断の回数を通常の企業より多く行い、インフルエンザなどの予防接種等も同社で義務つけるなど、建物、工作機械、人的環境など、ものつくりの環境整備に余念がありません。
工場の清潔感も事務所棟とさほど変わりなく、きわめてキレイ。
すべての加工機械は発生するダストを瞬時に吸い取るように設備を整えています。
さて,本日はちょうど
楽器フェアの為に宮地楽器でオーダーしておりますグレコ某モデルの色決め。
すでにサンプルをお渡しておりましたがイエロー系のヴィンテージ・カラーの色合いがなかなか決まらないのでビルダーの清水さんと打ち合わせ。
赤系、白系、黄系3色のカラーヴァリエーションのうち、2色はすでに決定しており、塗装も完了しているのですが、最後の「イエローの色合いが決まらない」と連絡を受けておりましたのでこの日に持ち越していた次第です。
今回の某モデルはヴィンテージ風なカラーにコダワッておりますので、中間色の原色からの離れ具合が非常に難しい。マホガニーの目地を活かしつつ、ツブシにならないシースルー気味のフィニッシュ。
あるヴィンテージモデルのカラーに似た完成後の、そのイメージは完全に頭の中にあるのですが、それに近づけるための試行錯誤が清水さんとワタクシで始まってしまいました。すでに清水さんにはカラーサンプルを送っておりましたが、それはラッカー仕上げの木材にペイントした素材だったので、今回ポリとなる塗装では風合いが変わってしまいます。
しかしながら嬉しいことに、塗装に真摯な態度で臨まれる清水さんはサンプルを準備して下さっておりました。
同じようなマホガニーの端材にサンプルで吹き付けられたいくつかのイエロー。アンダーコートの色の有無、上塗り塗料の明度など様々な組み合わせの中からチョイス。
特にボディがマホガニー材の場合、すでに木材が赤みを帯びている場合が多く、明るいカラーの場合はアンダーコートで下地を造って目をしっかりツブすか、チェリーのように下地をのこして独特な風合いを出すかが全体の出来栄えを左右しますし、フィニッシュがラッカーかポリか、などにより発色が違ったりします。
今回は明るめのカラーであるTVイエローをモチーフにしていますので、下地の活かし方とポリでの発色の仕方のバランスがイメージ通りになかなか行きません。
それをこの大量生産のラインを一時止めながら追及してゆく作業。しっかりと対応していただいた清水さんには大感謝でございます。
このように調合を試作、サンプルで吹いては清水さんがご自分でNGを出す場面などあり、双方納得のカラーを造りこんでゆきます。
いくつかの実験を試みたのち、ついに納得のカラーリングが完成。塗料の調合も決定し、熟練のスプレー作業でペイントされるのを待つのみです。非常に楽しみです。
まだまだ工程は続きます。次回は既にカラーリングが決定しているモデルの完成間近な姿をご覧いただこうと思います。
このように真剣なスタッフが造っているグレコギターのラインアップは
コチラ。
(一部他工場のものも含まれます。)
ではまた。
by Moda