みなさんこんにちは。
年末いかがお過ごしでしょうか?
さて、遅くなりましたがTOKAIスーパーショップとしてオーダーしておりましたレスポール・タイプのHLSが完成いたしました。
ワタクシが浜松の東海楽器製造の工場に行き、材の段階から選んだオーダー品ですので、ヨロコビもより一層でございます。
さまざまなギターを取扱いさせていただいている立場で見て、近年もっともクオリティが高いもののひとつとして注目しているブランド、TOKAI。
ぜひその製造過程と作っている方々の情熱を見たい。そんな想いがつのるうち、軽めの材がいくつかあるということを聞き、これはいい機会と思い、いざ浜松へ。
とはいえ、訪れたのはまだ残暑きびしい9月。昨日・今日の寒さからは思い出せないほど今年の暑さはきついものでした。
そんななか、訪れた東海楽器のクラフツマンたちは黙々と作業を続け、見学者の我々が横で見ていても集中力を失うことなく熟練の技術を惜しみなくギターに注ぐ。
この人たちが造っているのだから間違いはないという確信を得て、ひと通り工場内部を一周して確認してゆきます。
TOKAIのギターで注目していたことの一つはネック。
事前に、ニカワを使って接着したり接着前のネック仕込みの精密さを知ってはいたものの、こちらの工程はかなり念入りで「もう出来るのかな?」と思ってからもかなりの時間を費やして微調整を行っており、ついには短い見学時間のうちには一本も完成しない。
簡単に「熟練の」などという一言で済ませてしまいますが、情熱や根性・気合、人生などを含めたその人のオーラが刃物となり研ぎ澄まされ木材をカタチにしてゆく、そんな恐れ多い場面でありました。
ネックのジョイントはギターの命とワタクシは考えておりましたので特に注目していた工程なのですが、他の工程もすべてのクラフツマンが同じように情熱を注ぎこんでいらっしゃったのを見るにつけ、看板に偽りなし。TOKAIのギターの良さを再認識いたしました。
人間が最終的に仕上げるとはいえ、ここは工場。ワクワクするような工作機械がたくさんあります。
とくに初期のTOKAIを支えてきた日本最初のNCルーター。70年代に導入されてから使われ続けた凄みあるマシンはそれ自体がすでに意志を持った動物のように構えています。トーカイの当時のステッカーがおじさんとなったワタクシの心をタイムトラベルへ。
造る人と機械が大丈夫ならばあとは材。
さすがに工場ですとさまざまなランクの材が山積み。
このなかから一本ずつ選ぶのはさすがに大変ですので、工場長に事前に条件を伝えてとっておいていただいたものから、さらに選ばせていただきました。
いろいろなものの中から気に行ったのはプレーントップもの。イメージはすぐにチェリーレッドが思い浮かびました。
よしこれでOK。感覚的にギター全体で4kgで行くだろう。次々に想いが馳せていきます。
さて帰京し、待つこと3ヶ月。
あの信頼できるTOKAIがする仕事ですので、何も心配はしておりませんでしたがついに完成です。
TOKAI HLS-MIJ-LTD ¥218,000
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想像通り、いや想像以上の出来の良さに思わずニヤけてしまうワタクシ。
ほぼ4kgに抑えた重量はこのタイプのギターとしてはバランスのよいもの。持った瞬間のネックの馴染みやすさと生鳴りもOK。
アンプに通してみたら地味なイメージのTOKAIのサウンド(失礼!)とは一線を画し、ミドルレンジに色気とツヤのあるもの。うれしい誤算でした。
赤いレスポールといえば、「ジョージのLUCYにするにはここをこうして、ああして...」という可能性も残しつつ、素材はバッチリ。
いいギターができましたが限定2本です。
ぜひお早目にチェックしてください。スタッフが買いそうなのを止めておきます(笑)。
ではまた。
by MODA
- 2012.12.30 Sunday