みなさんこんにちは。
先日のブログでFENDER JAPANはエラいということをお伝えいたしましたが、今日はFENDER USAのオハナシ。
すでに熱心なフェンダーファンの方はいくつかの情報をお持ちのことと思いますが、ワタクシ先ほど都内某所にあるFENDER SHOWCASEで新シリーズの「ALL NEW AMERICAN VINTAGEシリーズ」を見てきましたので早速UPします。
今回はストラトがAMERICAN VINTAGE'56STRAT,'59STRAT,'65STRATと3種類。
テレキャスターは'52,'58,'64。加えてJAZZMASTER'65,'65JAGUARのオフセットボディもの。
FENDERの歴史の中では比較的過渡期にあたる年代をチョイスしてあり、その辺りも「おマニアさま心」をくすぐるつもりなのでしょうか。絶妙です。
FENDER USAのレギュラーラインでのフルモデルチェンジは久しぶりなことで、1982年の発売時に比べ、ヴィンテージギターに関する情報が容易に入手できる現在,VINTAGEシリーズと名付けるからには、更に言うと本家フェンダーが造るからには生半可なものはできないという状況であります。
そんな背景とファンからのプレッシャーに対するフェンダーの回答。どんなものなのでしょうか、興味がわくところです。
さて、いきなり細部。
電装関係からです。ストラトはなんとリアもトーンが効くように配線されています。見た目のコダワリとしてはヴィンテージ(っぽい?)コンデンサーが使用されており、セレクターがCRL(これも標準で5WAY)になり、より見た目の高揚感をブーストしています。
FENDERのスタッフさんもこれがどういうものか不明(外観のみVINTAGEで中身はセラミックなどのレプリカ?)とのことですが、これはLUXEっぽかったです。
テレキャスターはコントロールが標準で(FR/MIX/RE)の配線。(抵抗などのパーツも同梱されており、昔風な配線にもできます)。こちらも見た目はヴィンテージっぽいコンデンサーですが、レプリカとみて間違いないでしょう。
ピックアップもストラトの場合、年代にあわせてグレイボビン、ブラックボビンと色を整合させ、こちらもよくやった!という印象です。
外観での大きな特徴はストラトでは各年代でのコンターの深さを歴史に忠実にしたり、塗装がフェンダー・フラッシュ・コート・ラッカー仕上げ(秘密なので記述できませんが、店頭で聞いていただければお答えいたします。)。これは文字通り、肌ざわりが違います。しっかりした質感がVINTAGEのみが持つダイレクトなネック鳴り・ボディ鳴りを体感できます。
また、ポット等のパーツも徹底的に見直し。ソリッドシャフトのCTSや、形状を見直したテレのメタルノブ、ペグのトルク感に至るまで、頻繁に手が触れるところの重さ、軽さもうまく表現されています。
この他にもいろいろ細部にわたりリファインされた今回のシリーズですが、ワタクシ個人的に大きく変わったのはフレットのファイリングであると思います。
実際に市場に出回るものと差があるかもしれませんが、今日見たものはすべてファイリングが丁寧で、FENDERのレギュラーライン史上一番いい仕事をしています。
若干太目にも見える、トップをカマボコ状にきれいにファイリングしたフレットは、いわばFENDERをモチーフにして製作された良質なコンポーネントに近いものです。
このフレット処理はこのギターの他のパーツがすべてヴィンテージ寄りのベクトルを持って集成されたのに反し、唯一サウンドをモダンな方向に向けているパーツでございます。
結果、良好なケミストリーが発生し、このギター全体を単なる回顧主義のものにとどめず、2012年の進化したフェンダーであることを方向づけしています。
結果、全体のサウンドはまんまヴィンテージというよりも、少しコンポーネント系。
ヴィンテージなマニア心を満たすもよし、良質なギターとして使い倒すのもよし。
実にファンタスティックなシリーズとなっています。店頭に入荷するのはもう少し先ですが、こちらでもご案内いたしますのでぜひご期待下さい。
ではまた。
by MODA
- 2012.10.12 Friday