みなさんこんにちは。
ロンドン・オリンピック観戦お疲れ様です。
ワタクシはブリティッシュ・ロックが大好きでして、高校生のときなどは大きなユニオンジャックを学生カバンに貼り付けて先生に呼び出されていたりしました。
SWAN SONG RECORD。ブリティッシュ・ロックのレーベル。何度でも口に出して言いたい、その美しい名前のレコード会社はご存じLED ZEPPELINの所属レーベルなのですが、当時のワタクシの弱いアタマでは理解不能なZEPよりもわかり易いBAD COMPANYのほうが好きでした。(もちろんZEPもわかったフリして聞いていましたが。笑。)
さて、マワリくどい入り方でしたが、 お待たせいたしました。
グレコ「ミック・ラルフス・モデル」の復活です。
GRECO MRn-140R 商品ページはコチラ
1970年代にSWANSONG RECORDからデビューし、レッド・ゼップの弟分として名盤の数々を残したBAD COMPANY。希代のスーパー・ヴォーカリストPAUL RODGERSのメロディーラインに負けずに存在感を出していたのがギタリスト、ミック・ラルフス(MR)です。
決して速弾きではないものの、ツボを押さえたメロディアスなプレイはMOTT THE HOOPLE時代から引き継がれたもの。
ミック・ラルフスのギターフレーズはどれも口づさめるほどメロディーがしっかりとしたものですが、そんな彼が認めた日本製のギターが1975年当時発売されたGRECO MR。
当初ミック・ラルフス・モデルと称されたモデルはその後神田商会により「MR」として商品化されましたが、ミックのネームバリューに乗らなくとも、その扱いやすいシェイプやクオリティの高さがシーンに認められ、ポピュラリティーをモノにしてゆきました。
この人気シリーズはさらにヴァリエーションを増やし、その後も数回に渡りリメイクされ、限定で復刻したりさまざまなカタチで私たちの前に現れては消えてゆきました(悲!)。
しかし、今回の復刻。これは単に売れそうだからといった単純な理由でリメイクしたギターではありません。1975年当時に実際にミック・ラルフスの要望を聞き開発に携わった方(当時は神田商会に勤務されていたがのちに退職)が、現在の神田商会の商品開発スタッフと偶然に縁がつながったところから始まったプロジェクトだとのこと。
当時の想いを深く思い出しながら、当初のコンセプトや実現できなかったヘッドストックのインレイ等、最高のMRを造ろうという意気込みで製作されたとのこと、全体的なオーラも製作者の気概を感じる仕上がりとなっています。
MRのリメイクについてはワタクシもかなり前からウルサイくらいに神田商会の営業サイドには言っておりましたので、プロトができたときには見せてもらったりしておりましたが、今までのリメイクのなかでは完成度が最も高いものと思っております。
ただ、ノスタルジーだけでこのギターを語るのであれば、70年代のMRのパーツはこうではなかった、バランスがどうだった、など語り「思い描いているMR」と違うことを確認したくなる方のご感想ももちろん深く理解いたします。昔のはああだった、こうだったと。
しかし、今回のMR。MRにあるまじきボディバランス。つまり素晴らしい(失礼)。今までのMRリメイクの中では最高の部類です。レスポールほどサウンドも重くなく、きちんと輪郭あるカリっとしたメリハリあるアウトプット。ライブでも、とり回しのよいダブル・カッタウェイ、24フレット。
ミック・ラルフスのファンでなく、MRの歴史さえ知らない。
そんな人たちが手にとっても十分に納得のクオリティ。
新しい世代がガンガン使って新しい歴史を作ってゆく。そんな予感さえします。
しばらく忘れていたグレコの上質。あなたもこの機会にもう一度見直してみませんか?
ではまた。
by MODA
P.S. でもハードケースないんだよなあ、コレ。作ってくださいよ!神田商会さま。
- 2012.08.15 Wednesday