こんにちはiです。
1月30日から始まりましたトライアスロン・フェスタ第3弾
“凄すギルド”ですが、当店におきましては数年前からギルドをアコギ販売におきましてのメイン、つまり主力商品にしているわけです。
何故か??
それには立地的な理由があります。ご存知の方も多いと思いますが、この神田、しかも小川町近辺と言いますのは日本でおそらく最初に“マーチン”ギターを販売したであろう、あの老舗カワセ楽器さんがあるわけであり、それでかそうでないかはわかりませんが、非常にアコギ専門店が多い。
店名をあげますと他店の宣伝になるのでやめますが(笑)、どこも非常に専門的でアコギを扱う環境も整っており優良な店が多い様です。そういった意味では都内の「アコギの聖地」と言ってよいかもしれません。
もちろん当店でも以前はビンテージのギブソン、マーチン、またリゾネーター等様々なアコースティックギターを扱ってまいりました。しかしながらさすがにこの狭い町にここまでアコギ専門店が軒を連ねますと競合する気にはなれません(苦笑)。しかも私共はエレキギターも真剣に扱っておりますし、DAW関連に関しましても近年は大変ご好評をいただいておりますので、そこにアコギで競合はどうしたものかと…。
当然アコギを扱うノウハウ、専門知識はギター販売スタッフ全員ございますが、餅は餅屋に任せた方がお客様の為でもあるという信念のもと、カワセさん含めウッドマンさんなどとも非常に友好的な関係を結ばせてもらっておりますし、当店ではあえて扱うのを最小限度にとどめているわけです。
まあそれはよいとして…(笑)。
そこでっ、何故ギルドなのかですが、よく言われるのがサウンド的にマーチンは“柔”、ギブソンは“剛”などと表現されてますが、ギルドというのはその中間とよく表現されます。
「マーチンの柔とギブソンの剛を併せ持つ第3のアメリカン・アコースティックギター・ブランド」
これがある程度楽器に詳しい方であれば共通した認識ですね。
しかしっ、ところがギルドには何故かステイタスがない。つまり憧れの対象になる要素があまりない。たとえばマーチンのステイタスと言えばブルーグラス音楽における定番ギターD-28というものが存在し、アメリカンミュージックをこよなく愛す白人の方々にとってはそれこそステイタスなのでしょうし、ギブソンに関しては昔マーチンを手に出来なかった黒人のブルーズミュージシャンが使用したことにより、それを真似た当時のイギリスの若手ロッカーたちの使用により、ロック=ギブソンというステイタスが生まれたわけです。
ところが、ギルドと言いますとそういったものがない。せいぜいポール・サイモンが使用していた、あるいはリッチー・へブンズがウッドストックの1番手でかき鳴らしていた、あるいはジョン・デンバーが抱えていたといったようなあくまで個人的なアーティストへの憧れからギルドというブランドを意識はしても、ステイタスというものは存在しないわけです。
ところがこのギターそのものの性能、つまりサウンドはマーチンやギブソンにひけをとらない同等の魅力があるのは確かで、そういった意味では通好みなブランドとして長年君臨してきたわけです。しかも現在においてもマーチンやギブソンと比べて価格的にも安価であり、ヴィンテージ相場においてもそうであるのは「ステイタスがない」ことによるところが大きく左右しているのでしょう。
60年代にはマーチン(白人音楽)に対するアンチテーゼがギブソン(黒人音楽)だったのかもしれませんが、それが現代ではギブソンもステイタス化し、誰でも持つ様な時代になった時、これらに対するアンチテーゼでしかも、同等の性能を持つもの。長年ふたつの大物ブランドの影に隠れ大きく脚光を浴びることがなかったこのギルドというブランドが、今現在非常に魅力的に見えるわけです。
そういった意味ではギルドというのはネイティブ・アメリカンなイメージもあります。どちらかと言えばマーチン的な作りではあるがどこか泥臭く、優等生に対しての「不良」なイメージ(笑)。これがギルド最大の魅力でしょう。
低音側をフラットピックで弾いた時、マーチンは「ゴリン」と言います。ギブソンは「ジョリン」です。ではギルドは言いますと「ガリン」です。
このサウンドの魅力…それが私共がギルドをお勧めする理由ですね。
というわけで今回も長くなりましたのでまたー!
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