みなさんこんにちは。
すっかり秋めいて参りました。前回、前々回とこちらのブログで芸術の秋、音楽の秋などと書かせていただいておりますが、みなさまどんな風に音楽の秋をお過ごしでしょうか?
今年はいろんなメッセージを発信したいミュージシャンが多いのか、ライブイベントが盛んに行われているように見受けられます。私共の2F・ZIPPAL HALLで開催される定期的なイベント「Z-LIVEアンプラグド」やYAMAHA主催のMUSIC REVOLUTIONを見ていても、何かギターで表現したいのか、弾き語りがここ数年で増えているように思います。
ギターでイベントに参加者していただくみなさんはそれぞれエレアコだったり、マイクでサウンドホールのあたりを拾ったりとアコースティック・ギターの音決めに苦労されている方も多いのですが、普段、ワタクシは店頭でアコースティックギターにピックアップをとりつける相談を受けますと、お好みの音がどのようなものかもモチロンですが、まずお伺いするのはどれ位の広さのところで演奏するのがメインであるか、またそこでのPAシステムはどの程度なのか、また演奏スタイルがどういうものなのかなどなど、できる限りお客様の演奏場面にふさわしいものをご紹介しているつもりでおります。
このようなイベントで実際に使用されている現場の状況をフィードバックすることも重要なポイントというワケです。
そんなお話のひとつ。
ちょっと前、「主にアコースティックの弾き語りでアコギを弾くことが多いのでいいピックアップがないか」とご相談を受け、オススメのMisi(マイサイ)Acoustic TRIOを載せました。
*商品ページはコチラです。
で、それをお客様が使用するライブがZIPPAL HALLで行われまして、ドキドキしながら客席から聴くことに。店頭のアンプではしっかりとナチュラルサウンドが出ていたマイサイですが、大きな音量でどんな風にサウンドが出てゆくのか。期待と不安が入り乱れる瞬間でございます。
奇しくも同イベントはエレアコを使用する人、マイクで拾う人など違った音の出し方をする方が出ておりましたので音の違いを確認するにはとても都合がようございました。
さて実際に聞いた印象では、ラインでDIに通し、メインスピーカーから出て来てはいるものの、サウンドはまるで目の前で何も通さずに弾いたものが、そのまま音の大きさだけ大きくなったかのようなナチュラルな音像。
ピエゾPUにありがちなギラギラしたエッジの立ち方もせず、コンプレッションも気にならない自然なサウンドで、弦の振幅やボディの鳴りなど、ギターの素材がそのまま表現されており音楽的にすぐれたアウトプットでございました。
さて、そうなりますとこれを最高のギターにつけてみたい。しっかりボディやネックが鳴るギターにつけたら...。
と思った瞬間に目の前に新品の「マーチンD-28。」
最高のギターに最高のピックアップ....。
即決です。
*本文はイキオイのよいものですが作業内容はMISI代理店の神田商会リペアスタッフによる丁寧なものです。ご安心ください。
さて、無事加工は終了。
早速チェックしてみます。
100人キャパの会場では既にZIPPAL HALLで実証済みですので今回はじっくりRECスタジオをシミュレートしてラインをミキサーにつなぎ、これまたモニターヘッドホンとしては厳しく聞けるSONY MDR-CD900STでモニター。
指弾き、ピック弾きで様々な強さのピッキングをしながら理想のサウンドに近づけてゆきます。
ざっと配線を終えてセッティングをしヘッドホンを装着した瞬間、まだラインがつながっていないかと思うほどのローノイズ。まだレベルをきちんととっていなかったのですが、ヘッドホンからの出音が小さく、モニターしている音と実際に生でギターから出ている生音のサウンドの違いが区別できません。この時点で、かなりナチュラルなサウンドということが出来ます。
プリアンプについてはかなり敏感な印象で、レベル調整においてはGAINの調整などをきちんとしないと、プチプチと歪みが出たりしますが、これも許容範囲でのこと。ベストなセッティングを出すまでにさほど時間がかかることもなく、スムーズに歪みのないベストポジションが出せました。
音楽的な印象としてはこちらのピックアップ、「和」なイメージがします。
コンテンポラリーな洋楽というよりも、しっかりと弦の張りが出せるメリハリの効いたフォークソングのスリーフィンガーなど、1弦から6弦までの弦それぞれの特徴を繊細に表現する場面で本領発揮し、そのクオリティは弾き手のピッキング・コントロールによって表現力を無限に拡げてくれるような印象でございます。ワタクシはこんなときm9系のコードを弾くと軽く鳥肌が立ちます。ひとつのバロメーターとしています。(笑)
付属のACアダプターを1分間アウトプット・ジャックに挿すと8時間以上の使用が可能な充電方式など、アコースティック・ギターをエレアコ化したい方、またはプロフェッショナルな現場でナチュラルなサウンドが必要な方、店頭でぜひお試しいただきたく存じます。
今回misiを搭載したD-28ももちろん販売しております。コチラもご欄ください。
ではまた。
by MODA
- 2011.10.23 Sunday