もうかなり前になりますが、エフェクター担当になってしばらくした頃です。
当時、frantoneというメーカーのエフェクターを置いておりました。たしかアメリカ製で女性のビルダーが製作していたモノで、音は本格的でかなり図太い音なのに、ルックスが女性らしく非常にキュートでカワイイといったそのアンバランスさが魅力で、fulltoneに比べたらマイナーですが、結構評判が良かった記憶があります。
ある時、当店2FのZippal Hallに出演していた女子高生バンドのベースの子が、何か音が過激になるものが欲しいと言って来ました。本人は機材関係のことはよくわかっておらず、単純に“過激”というイメージだけがあったのでしょう。
長身の大きくなったらモデル系(?)な感じがする、でもまだあどけなさが残った少女に突然“過激”と言われても困ったわけですが(苦笑)、たぶんファズあたりを勧めれば良いと思い、上記したfrantoneを試してもらいました。
その他にも数種類のファズを試してもらった記憶がありますが、結局彼女のイメージに近かったのがfrantoneのPEACH FUZZというもので、
「やっぱ女子高生だからさすがにルックスか〜」
と冗談半分に私が言いますと、
「違いますよっこの音が気に入ったんです」
ときっぱり(笑)。
数日後、彼女は数万円を持ってきてキャッシュでポーンと買って行きました。
その時の彼女の楽器に対するこだわりとその気風のよさに敬意を表して、その後彼女の事を「ピーチ・ファズ子」ちゃんと呼ぶ事にしたわけですが(本人承諾済み、笑)、この間久々に来店してくれまして、そんな彼女もなななんと、現在は社会人のOLさんです。
そしていまだに音楽を続けていて、楽器店に来店してくれるなんて、やはり“ファズ子ちゃんは本物”だったと実感している次第です(笑)。
そんなわけで、私がFUZZというとすぐに思い浮かんでしまうエピソードをご紹介したわけですが、
実はっ。
現在密かにオリジナルFUZZの開発に勤しんでおります。と申しましても私というより、いつも共同で製品開発を行ってきたラウド&プラウドのS氏がですが…(苦笑)。
当店オリジナルCRUNGE BOX(ブースター)もお陰様をもちまして地味にご好評頂いておりますが(そういえばファズ子ちゃんが来店してくれた時買って頂きました)、その第2弾ですね。
現在ようやく試作1号機が完成したので、スタッフや常連の方々にお試しいただいてそのインプレッションをまとめている最中です。残念ながらまだまだ時間はかかりそうですが、でも今年中を目標に発売したいですね。
当然のことながらヴィンテージからブティックまで数々のファズを販売して参りました当店のノウハウは120%、惜しげもなく(笑)突っ込むつもりでおります。
是非ご期待いただければと思う入梅な東京のど真ん中よりの情報でした。
ではではまたー!
- 2011.06.26 Sunday