今日2/27(日)は東京マラソンの開催日。
宮地楽器神田店の近くでは交通規制も行われ、なんとなくざわついております。今日は暖かいので走るのに気持ちよさそうですね。先々週あたり雪で大騒ぎをしていたのがウソのようです。
さて、その雪の中密かに?造られていたMOON RAGGAE MASTER
先日来こちらのブログでご紹介しておりましたが、雪が解けるのを待っていたかのようについに完成いたしました!
今月25日(金)には当店2F ZIPPAL HALLにてDr.K氏によるカントリー・ギター・テクニック・セミナー&ミニライブでお披露目が行われ、徳武氏も大変気に入られたご様子。イベントならではのリップ・サービスかと思いきや、レゲエマスター・デラックスに至ってはご自分でミニライブのアンコールに使われ、その場でムーン・ギターズにオーダーの直談判。数々のテレキャスター属を弾きたおして来られた徳武氏の審美眼に私たちのギターが認められたことは、プロデュースした楽器店として冥利につきます。
さてそのレゲエマスターですが、シリーズは3種類用意いたしました。
1PUのジュニア(P-90タイプ)、2PUのスペシャル(P-90タイプ)、2PUのデラックス(ミニハム)。また通常ですとボディーにバインディングが入っているのが特徴のレゲエマスターですがジュニア、スペシャルに関しましてはあえてバインディングをはずして、独特な風合いを出してみました。
前回までのブログでは未完成でしたので、まだニトロセルロース・ラッカーの匂いが残る中、実器を弾いてみます。
今回はレゲエマスターJUNIOR。
まず音質の大半を決定するウッド・マテリアルは軽めのマホガニー・ボディにメイプル・ネック。ボディは製作時に叩いてみたり、さほど重量を感じない事を体感しておりましたので、ヌケのよい中高音を予感しておりましたが、実際に弾いてみますとアンプに通さない場合、フラットなイメージで均一に広がるサウンドです。全体に真ん中に寄ったサウンドイメージとでも言いましょうか、フツウのテレキャスターの様にトレブリーな印象は全くありません。どちらかというと音のカタマリがゴーンと出てくる。チカラ強い振動です。
ボディがマホガニーですと、ネックもマホガニーでマッチさせたいところですが、メイプルネックが標準のレゲエマスターですので、これがレゲエマスター・サウンドということになるのでしょうか?立ち上がりは非常にはっきりしています。
さらに指板は何度も話題に出ました“マダガスカル・ローズウッド”です。色味の良さと締まった中音域のサウンド・キャラクターが両立されています。
さて、アンプに通してみます。
ピックアップはP-90タイプ。
マホガニーの造る中音域をしっかりと余すところなく出力するにはこのP-90がベストチョイスであり、発売当初の80年代前半仕様の様に1PUにあえてしました。
実は1コのピックアップをボディのどこに配置するかは検討の余地があったのですが、そこはオリジナル通りの配置を選択したわけです。
P-90タイプの場合、それほど高音がキャンキャン言わないことが予測され、結果、予想通りに輪郭のくっきりしたミドルが出るサウンドになっています。しかしながら予想していなかったのですが、こちらのギター、かなりクランチがカリっとします。
最近こんなギター・サウンドを出すモデルはないのではないかというほどの乾いたサウンド。超辛口です。
いい意味で滑(ぬめ)った感がない、凛とした乾燥感。ステージ上で決して愛嬌を振り撒いたりせず、黙々とリズムを刻み続ける。
まるで研ぎ澄まされた刃物が、楽曲の時間軸に沿ってビートという釘を正確に打ち込んで行くかのようです。
決してオール・マイティーには使いまわしが出来そうもないサウンド・キャラクターですが、とんがった個性は唯一無二のもの。他とは圧倒的に差をつけるものになっています。
外観は弾きこんで味が出るように、また経年で色の変化を楽しめるように願いを込めてニトロセルロース・ラッカー・フィニッシュ。実は今回のオーダーの最大のポイントがここにあります。カラーサンプルに非常にこだわった甲斐もあり、ヴィンテージ・ギブソンのカラーとほぼ同様の深みと落ち着きのあるカラーに仕上がりました。ヘッドの黒も全体のイメージを引き締めるのに役立っております。
これをプレイヤーが持ち、経年変化によりキズや焼けが加わった時に最大限このギターのカッコ良さが滲み出ると信じております。つまり見せかけのヴィンテージでなく、自分で作るヴィンテージ。
これが今回私たちがお客様に捧げたいテーマでした。
新品で店頭に並んでいるときは勿論、お客様が弾きこむことによって1〜2年後に本当の鳴りと存在感が出ることを願い、謹んでここにお届けいたします。
一本のギターをきっかけにお客様と永いお付き合いをすることが私たちの願いです。
ぜひ使い込んでいただき数年後にも見せて欲しい、飾り気のない男のギター。
一度お試し下さい。
商品ページはコチラでございます
by MODA
- 2011.02.27 Sunday