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この記事は2009.05.29 Fridayに書かれたものです。
        

フェンダーを使わない偉人

フェンダー、ギブソンといえば言わずと知れたギター界の老舗中の老舗。
おそらく世界中のミュージシャンがアマチュア・プロを問わず一度は手にし、または一生
手離すことのない、馴れた道具として愛用していることでしょう。
著名なミュージシャンならばなおさら、トレードマークとして愛用していないにしろ、フェンダーを手にしている写真の2〜3枚くらいは発見できるものです。
しかし、その偉大なるベーシストはフェンダーを手にしている写真をあまり見たことがありません。
その人の名はポール・マッカートニー
ビートルス関連の本や写真、CDからWEB上の豊富な情報が満ち溢れている2009年現在においても、彼がフェンダーを持っている写真は、UFOやネッシーの写真よりも発見が難しいものです(笑)。(*注1)
ウィングス時代にはリッケンバッカーやヤマハ、ソロではWALなど他のブランドもしっかり使っている彼。彼はフェンダーが嫌いなのでしょうか?
何か因縁めいたものも感じてしまいます。

いやいやしかし、いろいろビートルズ関連の本を読んでいると、どうやらそうではなさそうです。
では真相はいかに。もはや説明不要の天下のビートルズではありますが、デビュー前にハンブルグで駆け出しの貧乏バンドだったころ、ドイツやイギリスではアメリカ製のフェンダー製品は輸入楽器で高価なもの。もちろん当時のポールにとっても高嶺の花でした。
いつかはフェンダーを手にしたいとの夢を持っていたものの、完全に「手に入らない楽器」としてポールの脳裏に刷り込まれていて、その影響でフェンダーには手が伸びなくなった、と本人が述べているそうです。
今では工場全部を買い取れるほどの経済力もあるでしょうに、興味深い話ですね。

   
さて、ポールのトレードマークといえば、やはりこのヘフナーです。
なぜポールがこのベースを手に入れたのかは諸説ありますが、修行時代のハンブルグ中心部に、唯一あった楽器店に飾ってあり、価格が手ごろ、ボディが左右対称で左利きでも違和感ないデザインであったことなどから購入をしたというのが有力な説です。
楽器店に長く勤めていますと、お客様が運命の一本に出会う場面をいくつか体験しますが、ポール・マッカートニーの場合、その後トレード・マークになるのみならず、独特なベーススタイルを確立してゆくための不可欠な道具であるヘフナーと早期に出会っていたことは非常に興味深いところです。
また、ロック史上初めてフィードバック奏法をレコーディングした曲は ”I feel fine"といわれていますが、ジョンがGIBSON J160Eをアンプに入れたと同時にポールがヘフナーで A音を弾いたときにジョンのアンプに起きたノイズが「フィードバック」の始めて物語だそうで、こちらもヘフナーなしにはありえない話だったかも知れません。
さて、そんなことを踏まえながら当店のヘフナーを弾いてみましょう。

第一印象は誰にとってもそうですが、非常に軽い。現代のベース・スタイルから考えますと、大丈夫かな?といった印象をもつ位、華奢な印象です。しかしながら、その構造はすでに何百年と培われたヴァイオリン製作のノウハウが応用されているため、イメージからくる弱さとは裏腹に強固なものです。
軽さとスケールの短さが相まって、演奏は自然とハイフレットまで指が移動してゆきます。
このあたり、才能のあるミュージシャンであるポールが使えばハイフレットも自由自在に使い、新しいスタイルを作っていったのも頷けます。

サウンド面では、現在のベース・サウンドと比較しますと、非力ではありながらホロー構造によるエアー感がピッキングのあとにしっかりついてきて心地よいものです。
また、当然サスティンも長いものは期待できませんが、思ったところでスッパリ切れる適度な、かつコントローラブルな減衰をつくり、早いパッセージでも決してモタモタしないもの。バンドで演奏したら、ちょっと多めにミュートしたバスドラムと上手くからめば独自のビート感をつくれそうな予感がします。(もちろんタオルでミュートしたスネアともバッチリ!)

フェンダーに育てられたわれわれ凡人は「フェンダーを使わない」などと断じて言えませんが、ヘフナーには確かに「これでなければならない理由」がたくさんありそうです
今までさまざまなコピーモデルが出回っていましたが、こちらのヘフナーはしっかり作りこみがされた復刻モデルです。
ヴァイオリン・ベースを弾いたことのない方はぜひ一度体験されると、ビートルズ・サウンドの秘密に一歩近づくことが出来るかも知れませんね。
ポール・マッカートニーにヴァイオリン・ベースを出会わせた楽器店のように、貴方に運命の一本、奇跡の一本をご案内できますよう、日々努力してゆく所存でございます。


(*注1)ポールがフェンダーJB(ブロックインレイのレフティー)、テレキャスター(サンバーストのレフティー)、エスクワイヤ(右用を転用)を持った写真がわずかにWEB上にあるようです。ご興味のある方は海外サイト等で検索してみては?


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  • 2009.05.29 Friday

この記事は2009.05.26 Tuesdayに書かれたものです。
前回KLON CENTAURについて軽くお話させて頂いたので、今回はオーバードライブをブースターとして使う場合の問題点とポイントをお話させて頂きます。
中級者以上の方であればたぶんどなたでもご経験がおありでしょうが、たとえばマーシャルアンプを歪ませてバッキングをやっていて、さていざソロだという時にオーバードライブを踏む…するとゲインは増えたものの音が細くなって前に出てこず、
え??そんなはずじゃ???と思われたことが1度はあると思うのです。
その原因として考えられるのが(エフェクターのセッティングの問題というのはひとまず置いておくとして)エフェクター内部でのコンプレッションがあげられます。最近よく歪みモノ関係の話をしている時に「コンプ感」という言葉が頻繁に使われたり、コンプカット機能がついた歪み系エフェクターも数多く出ていますが、まずはそのあたりからお話ししたいと思います。

“コンプレッション”とは音が圧縮されて潰れた状態を指すのですが、もともとオーバードライブというエフェクターが出現した時代(70年代)、メーカーのキャッチフレーズには決まって「チューブアンプをドライブさせたような」の形容が入りました。
オーバードライブが登場する前に存在した歪み系エフェクターとは主に人工的に(電気的に)歪ませたサウンドを作るファズか、ギターからの出力レベルを持ち上げてアンプ本体に負荷をかけ、最終的に歪んだサウンドを作るブースターのふたつでした。そしてMXRの「DISTORTION+」の登場あたりが、オーバードライブ的なエフェクターの始まりであり、その後MAXONから発売された「SOFT DISTORTION OD-880」、そしてその名もズバリ「BOSS OVER DRIVE OD-1」へと繋がるわけです。海外では「DOD OVERDRIVE/PREAMP 250」も丁度その時期に発売されました。

それが70年代半ば、オーバードライブというエフェクターが登場した始まりです。
「チューブアンプをドライブさせたような」ということは逆に考えれば、何らかの事情でチューブアンプを使用出来ない人向けに開発されたエフェクターがオーバードライブであると言えなくないのですが、そう考えますと、オーバードライブとは当時のソリッドステート(トランジスタ)アンプ用かもしくは、どちらかと言うと歪みづらいクリアーな音のするチューブアンプ用に開発されたチューブドライブ・シミュレーターと考えられなくはありません。

そこがオーバードライブとブースターやファズとの大きな違いであり、ブースターはチューブアンプに負荷をかけてよりハイゲインでロングサスティーンなサウンドを狙ったものですから、どちらかと言えばチューブアンプを持っている、あるいは使用出来る環境にある人向けのエフェクターだったはずです。
またファズはソリッド・ステート、チューブアンプ問わず、そこに過激性、当時で言えばサイケデリックな?サウンドを求める人向けにあったものとも考えられます。

そしてオーバードライブがチューブアンプのプリ部に負荷をかけてゲイン&サスティーンを向上させたナチュラル・オーバードライブ・サウンドをシミュレートしている以上、その時に本来かかるであろう(アンプ上で)コンプレッションしている音までエフェクター本体でシミュレートしている筈なのです
(論理的に適切な表現ではないかもしれませんが、使う側として考えたらそう感じます)


オーバードライブをブースターとして使用した場合、特にゲインの高いマーシャル系のアンプですとアンプでもコンプレッションがかかるわけですから、プラスそのエフェクターのコンプレッションが仇(あだ)となる相乗効果をもたらす場合があります。
それが、音が痩せる、抜けない、その他のストレスなのです。そしてエフェクター本体が歪むタイプであればあるほどそういった傾向が顕著に現れます。

ではオーバードライブをブースターとして使用した場合、どうすれば音が潰れなく出来るのか???

一言で申し上げるなら
アンプに入力する前の段階でむやみにコンプレッションをかけないことです(エフェクターのゲインを上げない)。
もし歪み易い、たとえばマーシャルのようなアンプを使用する場合はコンプレッションの少ない、本来のブースターとして機能するようなオーバードライブが好ましいと言えます。そして仮に一般的な(コンプ感の強い?)オーバードライブをブースターとして使ったとしても、ゲインを低めレベルを高めに設定するのはある意味常識となっており、その様に使用することによってアンプのゲインやサスティーンを向上させるのみならず、その歪み感や音質、あるいはエフェクターの特性をアンプの歪みと混ぜて繊細な音作りが可能な上、ギターからアンプ直の使用とはまた違ったファットで倍音豊かなサウンドになる場合も多く、バランスによってはアンプもエフェクターも、本来の本領以上のサウンドが発揮される場合もあるといったメリットがあるわけです。

以上の様にオーバードライブをブースターとして上手く利用するには、あくまでアンプの歪みの補佐役と申しましょうか、そのあたりを頭に入れながらお使い頂くのがよろしいかと思います。そしてっ、
「使用するアンプに合わせたエフェクター選び」
これがとても重要になってくるワケです。

確かに古くはBOSS OD-1をマーシャルのブースターに使うのが一般的だったり、90年代に入るとビンテージのIBANEZ TS-808やTS-9がアメリカでバカ売れして1000ドル以上の値がついた時期もありました。しかし最近ではこれらの名器を設計ベースとしたもっと実用的なというか洗練された商品もたくさん出ております。たとえば、OD-1をマーシャルのブースターとして使用した時に起こる何らかの問題(たとえば上記したような音の潰れ、音痩せ)、これらを克服する為に最近ではコンプカット・スイッチが付いている機種も数多くありますし、最初からブースターとしての使用を考慮に入れたような非常にコンプ感の少ないオーバードライブも出ています。

これらの特徴としては、エフェクトオンにした状態でギターのボリュームを絞っても音が篭るといったことも無く、むしろ回路を通ったことにより高域の倍音が強調され、美しく艶やかでしかもファットになって手先のニュアンスが非常に出やすくなる機種も多いわけです。
よってかけっぱなしでプリアンプの様な使い方も出来ますし、またミッドにレンジを集中させて、アンサンブルの中で抜けてくる(他の楽器とぶつからない)MAXON&IBANEZのレンジ感をもっと太くしたようなKLON CENTAURのような機種も存在する為、使い方は様々。
自分が演奏する音楽ジャンルに合わせたドライブサウンドの追及がよりし易くなったと言えます。
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  • 2009.05.26 Tuesday

この記事は2009.05.24 Sundayに書かれたものです。
えっ!もう夏ですかっ!というくらいに、日差しが暑い今日この頃。(沖縄はもう入梅だそうですね!)もう半袖で充分だな、などといって衣替えをすると、急に2〜3日寒い日があって、風邪ひいちゃったりするんですよねぇ。なんてことがないよう、みなさん、気をつけてくださいね。

さて、MIYAJI TRIATHLON FESTA 2009も第2ラウンドのゴングが鳴り響いておりまして、“MWCG(Miyaji World Guitar Classics)”なるイベントが熱血進行中でございます。えっ、MWGCって何?という方は、今すぐ当店HPをチェック!↓
http://miyajikanda.shop-pro.jp/?mode=grp&gid=35571
要するに、当店が独自の視点からチョイスした“Artist Model”たちを、皆さんにご紹介するという企画です。その中から、まず、私のオススメの一本は
FreedomCustomGuitarResarch(FCGR)の当店オリジナル・オーダー・モデル”Wired”です。

Wiredとは、皆さん、よくご存知だとは思いますが、1976年に発表されたJEFF BECKの名作アルバムのタイトルです。
私とJEFF BECKの出会いは、高校に入学した年に、この”Wired”というアルバムを友人に見せてもらったことから始まりました。ただアルバムのサウンドについては全く知りませんでしたが、そのジャケットのJEFF BECKのカッコよさは、高校一年の少年を完全にノックアウトするのに充分なものでした。
その後にこのアルバムを手に入れて聴いてみると、今度はそのサウンド(ギターだけでは無くて全て)の虜になってしまいました。まるで言葉を話すかのような縦横無尽で繊細なJEFF BECKのギターサウンドは、もう皆さんもよく、ご存知だと思います。

またしても、前置きが長くなってしまいましたが、この“Wired”のジャケットでJEFF BECKが弾いているストラトキャスターをモテーフにしたのが、このFCGRの
“Wired”なんです


このオリジナルギターは主に“BBA”の時代に使用頻度が高かったようですが、アルバム発売後に行ったツアーをレコーディングしたものが、“LiveWire”として発表され、このアルバムのジャケットには、このギターと思われるギターを弾くJEFF BECKが写っております。
その後、1978年にJEFF BECKはSTANLEY CLARKを率いて、来日を果たして日本のファンを熱狂させましたが、その時に使用されたギターは同じ白いストラトキャスターではありますが、このギターではなく、スモールヘッドに黒のピックガード、そしてシェクターのピックアップと三つのミニスイッチでそれぞれのピックアップのon/offをコントロールするアッセンブリーを搭載したギターでした。当時の日本のギターメーカーは、こぞって後述のギターをコピーしたモデルをJEFF BECK MODELとして発売し、例の“Wired”のジャケットに映っていたストラトは、現在でもあまり見かけません。


そんな状況が自分としては非常に不満で、いつか発売されないものかとずっと心待ちにしていましたが、FENDER CUSTOM SHOPからSignatureModelのそれやエスクワイヤーは発売されたものの、このギターのリメイクものは一向に発売されそうな気配もなく、もう待っていてもお目にかかれそうも無いと判断し、遂に自分でオーダーしてしまったわけです。

“オーダーって、普通の'70sのストラトじゃねーの”と思っている方も多いと思いますが、実はこのギター、普通じゃないところがいっぱいあるんです。
パッと見た外観は、一見普通のラージヘッド・ストラトですが、まず、ヘッドに72年以降のトップビュレットがあるにも拘わらず、ボディとネックは4BOLTでジョイントされており(その時代はすでに3点止めでした)、同じくその時代のブリッジはプレートとブロック一体型のダイキャスト製のはずなのに、オールドタイプのスティールブロックにプレス・コマを搭載しているんです。これは当時の音楽雑誌や来日時のパンフレットなどかなりな枚数の写真から裏とりしました。
そしてブラス・ナット、これも実際に付いていた時期があるのです。

以上の3点はサウンドに大きく影響を及ぼしますのでここには拘ったわけです。そして、音には関係ありませんが、ボリューム・ノヴが60年代後半のジャズマスターのものに交換されている点、これは見逃せません。
当時は気に入ったボディとネックをミュージシャンが勝手に組み合わせるという例も、多々ありますので、このストラトの仕様がどういったいきさつでこうなったかは、今となっては調べようもありません(この時期、白以外に所有していたピックガードを切ったストリップド・ナチュラルのネックがついていたり、いろいろ交換していたのは確かな様です)。


さて、以上がこのギターの一般的なヴィンテージのストラトとの相違点です。それらを忠実に再現してもらいました。その他、クルーソン製のF-Keyを模した現在のFENDER USAのF-Keyを搭載し、70年代の某音楽雑誌の表紙をFCGRに渡しての徹底したカラーの指定、また、これは実物とは違いますが、音質を重視した結果のラッカーフィニッシュとステンレス・フレットの採用があげられます。

またブラス・ナットは現在、入手が困難だったので、FCGRに特注し、真鍮の棒から削り出しで作成してもらいました。そして、サウンドの要であるピックアップは、オーダー当時に、発売間もなかったVooDooの“'70s ST”をセレクトしました。もちろん、そのようなディテール以外に、これぞFCGRの真骨頂ともいうべき、緻密な組上げとセットアップにより、MiyajiOriginalのJEFF BECK MODELが、完成しました。自分にとってもドリーム・ギターであり、オススメを通り越して、自分が欲しくなっちゃたのは事実です(笑)

JEFF BECK FREAKはもちろんのこと、全てのギタリストに一度試していただきたいです。それだけの自信があります。だまされたと思って、一度、ご来店を(笑)。まさにオススメの逸品です。

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  • 2009.05.24 Sunday

この記事は2009.05.23 Saturdayに書かれたものです。
          

5/23(土) それは太陽のせいだ。

カミュの異邦人のようなことを言いますが、まだ5月というのに朝のTVで天気予報は「熱中症に気をつけましょう。」と。
本当に今年の夏は長そうです。変なインフルエンザも流行っていますし、皆さん気をつけましょうね。TVでも言ってました。
「景気の回復もしばらくかかりそう」ともTVで言ってました。
ムダ遣いせず、ちゃんと価値のあるギターを買いましょうね。

...TV,TV,TV。
うーん、やっぱりテレビはわれわれの生活にいろいろな影響を及ぼしますね。

さて、TVの影響によって最大の影響をくらったギターといえば、今回のご紹介、
LES PAUL SPECIAL 1956 TV YELLOWです。
(...われながらムリヤリ過ぎますな、この展開。)
ご存知の方も多いと思いますが、このTVイエローと呼ばれるカラー。
まだ白黒TVしか普及していない1950年代のアメリカで、画面上最も映えるのが白いギターであった。しかしながら、本当に白いギターは画面上でハレーションを起こしてしまうため、若干黄味がかったライムドマホガニー・カラーのほうがTVできれいな白に見えた。だからあえてTVイエローが重宝された、というのが通説です。
僕の家にまだカラーテレビがなかった時代、にせ仮面ライダーのマフラーがあざやかな白に映っていたのを思いだします。(後日にせライダーのマフラーは黄色と判明。)

さて、全体的に「TVイエロー」といわれるこのギター、本当の色はどうなのかちょっと見てみましょう。

まずはBODY表面  〜赤の謎〜
全体的には「薄い黄色」と言ってしまえばそれまでなのですが、BODYに何やらうっすらと赤味(茶色っぽい?)が見え隠れしています。これはなぜでしょう。
世に出回っているTVイエローをいくつかご覧になった方には、TVイエローなのに赤味がかったものを見かけられた方も多いことと思います。

これはローズウッドやマホガニー材をボディに使ったギターに多く見られる特徴なのですが、ウッドフィラー(目止め剤)に含まれる染料が経年変化で染み出してくるためです。
ギブソンはマホガニー材を使用する際、導管(木材表面の無数の穴)に塗料が吸収されるのを防ぐため、染料を含んだウッドフィラーを使用したのですが、それが経年変化で表面近くに染み出してくるために起こる現象といわれています。そのため着色面に「赤」が出てくるというワケです。


そしてネック 〜黄色の謎〜
こちらのギターはリフレット、リナットが施されてオーバースプレー処理がされています。使用上はスムーズなネックですが、裏に木地が見え、白い部分、赤味をおびた部分、黄色い部分が見えます。
TV上で白く映えるために、あえて「黄色く」塗装されたギターなのに、白い部分がある。
これはなぜでしょう。黄色が褪色して白くなる?ワケはありません。また、ボディの塗装と同じことが起きるとすれば(ウッドフィラーが染み出してきたら)少し赤味がかる筈です。
そう考えると、このギターは製作時には限りなく白に近い黄色塗装だったといえます。
特にトップコートが剥げている部分は白い。

では「限りなく白い塗装」と「トップコート」の間に何が起きたか。

原因は、当時の塗料の容器にあります。
当時の塗料はブリキ缶で保存されており、その缶で保存された塗料は当然融解した鉄分を持っています。

一方、トップコートに使われるクリアラッカーはかなりの酸性。これが金属質を錆びさせる。その色はオレンジがかった黄色になる、といった仕組みです。
これが、「限りなく白に近い塗装」を「あざやかな黄色」にしてしまう原因なのです。
金属を含んだパール・ホワイトやメタリック塗装のギターがいわゆる「焼けてしまう」のは「太陽のせいだ」だけではなかったんですね。

さて、塗装の謎についていろいろ語ってしまいましたが、サウンド面でレスポール・スペシャルというギターは僕にとってのフェイバリット・ギターです。
どこがいいの?といわれれば「ぜーんぶ!。」
P-90が好きだ、とこの前のブログで書きましたが、それが2つもついているのですから、盆と正月が一緒に来たみたいなものです。

僕にとってスペシャルなギター。あなたにとってもスペシャルなギターでありますように。

P.S. 
TV上だけでなく、PC上でも色がお解かりいただけるといいのですが(笑)。PC上で色が映えたあかつきには ”PCイエロー” と名付けたい、そんな気分です。ではまた。

(ちなみに今回の写真はRON WOOD風と奥田民生風で行ってみました。似てねえーっ!)


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  • 2009.05.23 Saturday

この記事は2009.05.16 Saturdayに書かれたものです。
Vol.1 Gibson ES-335TDC CH 1963
     
Gibson初のダブル・カッタウェイ・ボディ、センター・ブロックの採用等、まるで後の時代を見抜いていたかの様な画期的アイディアを詰め込んで58年に登場したES-335…。
そのソリッド且つアコースティカルなサウンドは、いつの時代も選ばれたアーティストたちの愛器としてシーンに登場しました。
特にコチラの63年製(仕様)はクリーム時代のエリック・クラプトンが使用していたことにより、いまだに根強い人気があり、ブルーズからロック、はてまたオールラウンド・プレイヤーにとっても憧れの的となっています。
細かい仕様は専門書に任せて、コチラでは独自の切り口からインプレしてみようと思います。


この年代の主な大きい特徴としてはストップ・テイルピース仕様であり、金属部分がニッケル・メッキであるということ。ストップ・テイルピースに関しては発売年の58年からの特徴で64年まで続いていた仕様なのですが、65年以降、ヴィンテージ・リイシューものが発売される80年代までブランコ(トラピーズ)・テイルピースに変わります。
ストップ・テイルピースのサウンド的な特徴はタイトなテンションとロングサスティーンであり、元々設計段階でセンター・ブロックを入れているという構造自体、同時期に発売していたレスポール等のソリッド・ギターのノウハウをES(エレクトリック・スパニッシュ)シリーズに取り入れたということなのでしょうか。しかし、時代的背景からか、何らかの理由でかねてからESシリーズの伝統であったトラピーズ・テイルピースに変更されたわけです。そしてこのストップ・テイルピース仕様のES-335に時代が追いついたのが1970年代後半のクロスオーバー・フュージョンブームの頃でした。

違う角度から見てみました。たとえば現在のヒストリック・シリーズの同じニッケル・メッキものと何処か雰囲気が違うと思いませんか??そしてブリッジ・サドルがナイロン製というのも60年代によくあった仕様ですね。ナイロン・サドルに関しては、音がブラスに比べてべチャっと潰れた感じになりますが、これは各々の好みでしょう。もしサウンド的にブラスサドルの方が好みの場合でも、サドルくらいならリプレイスメントでいくらでもあるので、使用する時はそちらに交換して使うのも手です。
当然のことながらボディのチェリーレッドの深みが全く現代のモノとは違います。この絶妙な色の雰囲気が、たとえ現在のテクノロジーをもってしても再現不可能な部分。そしてこの独特な色合いと、また微妙に何処かが違うニッケル・パーツとの組み合わせで、ヴィンテージという外観が醸し出されるワケです。ギターが「オーラを放っている」とはまさにコレを指すものと思われます。



さて、本物のアルミ・テイルピースの重さとは一体どれくらいなのでしょうか?ということで計りました。
写真でお解かりの様に0.03Kg…つまり30グラムです。

そしてコチラがニッケルのアルミ・テイルピースと初期型ABR-1(針金付き)のアップ写真。下はそれらがどんな感じでギターにセットアップされているかサイドから見た写真です。
ブリッジ自体が低く設定されていると感じるのは、ボディに対するネックのジョイント角度が浅めな為です。実はES-335が発売された当時のネック・ジョイント角度はもっと浅めでした。したがって通常の高さのABR-1は取付け出来ず、高さが短いABR-1が付いていました。ヴィンテージ・パーツとしてコチラを探されているお客様もいらっしゃいますが、残念ながらほとんど市場に出ることはありません。

次に話題をピックアップ本体に移します。この年代(ニッケルメッキ)までのピックアップを通常ナンバードPAFあるいは初期型ナンバードと呼びますが、では70年代まで続いた“ナンバード”PUと“ナンバードPAF(初期型ナンバード)”との違いとは一体何なのでしょうか??
これは一言、ナンバードPAFとは

“PAFそのものにパテントナンバーのシールが貼られているもの”

そうお考え頂くとよろしいと思います。要するに57年から61年までのPAF(PATENT APPLIED FOR “特許出願中”の意)にはマグネットの長い前期型と短い後期型とがあるのですが、“ナンバードPAF”とは後期型のPAFと全く同じモノであり、裏に貼っているシールが違うだけ(特許番号が貼ってあるからナンバード)、ということなのです。
サウンドはもうここでとやかく言っても始まりません(苦笑)。様々なビッグ・アーティストの名演を聴く、あるいはご来店頂き実際弾いて頂くしかないでしょう。本当に艶やかで奥が深くスムースな音です。また枯れた味わいというより、パワーもそれなりにある、究極の言葉に恥じないサウンドです。本物なので当たり前ですが…。
話し変わって写真をご覧頂くと、ネックの中子がフロントPUのザクリの中に見えます。間違いなくディープ・ジョイントですね。このザクリも無駄な隙間がなく、タイトに彫られているんですね。手作業が多かった時代の賜物といいますか、見事です。

さて、ネックの話題が出たところで話をネックに移します。この時代の特徴としましてもうひとつのポイントであるブロック・インレイです。ブロック・インレイは62年からやはりコチラも80年代にヴィンテージ・リイシューが出るまで続きます。ということはパーツ関係も含めて複合して考えますと、62年から64年までに作られたES-335というのがドンズバ、ストップ・テイルピースにブロック・インレイというエリック・クラプトン仕様になるワケですね。
そして指板はローズウッド。69年にワシントン条約において輸出入が禁止された現在では希少なブラジリアン・ローズ(ハカランダ)であるかどうかは確証が持てませんので断定はいたしません(資料によりますとハカランダ指板は60年まで、その後は稀に存在するとのこと)。ただし、エボニーとは違った硬質なこの指板がヴィンテージ・サウンドを構築しているのは間違いのない事実です。
そしてネックはマホガニー1ピース。目の詰まった硬質なマホネックです。硬質ゆえ、現在のモノとは違い、60年からギブソン全般で採用され始めた幅がワイド&厚みがスリムネックでも反らずに安定したプレイヤビリティーを誇るわけですね。

続いてあまり見ることがないヘッド裏の写真です。2コブのKLUSON DELUXE SINGLE LINEが何気なく燦然と主張しています。このペグのプラ部の色合いもしかり、エイジド加工その他ではなかなか再現出来ない部分です。

今度はバインディングに注目します。セルロイド製のバインディング(塗装が)が黄色く黄ばんでおりますが、この黄ばみ方が実に絶妙であり、人の体に当たる部分は当然白くなっているわけです。このムラがヴィンテージ・ギターの味わい、息づかいとなりマニアの心を掴んで離さないワケです。確かに見ているだけでも惚れ惚れする味わいですね。そしてネックのバインディング上のサイドポジションマークはギブソン・カラマズー工場の伝統である鼈甲タイプです。コチラもヴィンテージの存在感に一役買っていますね。



ご存知オレンジラベルです。ES-335の文字が手書きで書かれており、シリアルはスタンプです。このあたりはこれ以上のご説明は必要ないでしょう。

そして最後にヘッドです。一般的に言われている17度ヘッドはテンションに直接影響する為重要です。この角度は60年代半ばまで続きますがその後14度に。正確な度数は諸説ありますのでそのあたりの言及は省略いたします。また注目すべきはストリング・ポストの位置でしょうか。特に6弦、5弦に注目しますとナットから5弦ストリングポストに伸びる弦が6弦ストリング・ポストに当たってるくらい近いです。スモール・ヘッドのコチラの仕様(ストリング・ポストの位置)はこのあとも70年代前半まで続くようです。この位置関係もヴィンテージらしさを強調していますね。


まとめ

クリームの代表曲「CROSSROADS」(原曲はロバート・ジョンソン)の歴史に残る名演をエリック・クラプトンに弾かせたこのギター(同仕様の意)、見た目ばかりでなく、本当に素晴らしいサウンドを奏でます。またロックばかりでなく、ブルーズやジャズ、フュージョン等オールジャンルで使える繊細さと力強さも持ち合わせています。
オリジナル・レスポール・スタンダードを手に入れることがますます困難となった現在、この歴史的名器の存在は、全世界のミュージック・ファンにとっての財産であると共に、アメリカが輝いていた時代の文化遺産であると言えるのではないでしょうか。
そして価格から考えても本物のギブソンを手に入れられる最後の砦、モデルかも知れません。

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  • 2009.05.16 Saturday

この記事は2009.05.12 Tuesdayに書かれたものです。
         

昼間のこの季節には似つかわしくない強い日差しに、初夏を通り越して夏の足音が聞こえて来そうな今日この頃。皆様はいかがお過ごしでしょうか?

さて前回のPRSに続きまして今回、ご紹介させて頂きますのは
“B.C.Rich Mockingbird“です。
このギター(これ、そのものではなく、同型のギターの意味です。)との出会いは、確か1978〜79年頃、エアロスミスのジョー・ペリーだったか、バウワウの山本恭司だったか、それとも“サードレディ”の頃の桑名正博だったか、誰が持っている写真だったか覚えていません。それくらいギター自体の印象が強烈でした。

猛禽類の爪を思わせるボディの長い角を持った独創的なボディシェイプ、ヘッドからボディエンドまでのスルー構造とその両脇のウイング部とマホガニーのラインによる5ピースの精悍なデザイン、多数のスイッチとレバーからなるメカニカルなエレクトリックアッセンブリーと、当時高校生だった私の目には、

これ以上に芸術的でカッコイイギターがほかにあっただろうか?

というくらい、衝撃的に映りました。
しかし当時の価格は確か45〜48万円(1ドル=360円の時代でしたから超高価なギターであることに変わりありません。)で、とても購入の対象となり得る代物ではなく、“憧れのギター”でした。

このB.C.Rich Mockingbirdですが、BODYの材質にいくつかバリエーションがありました。自分の知る範囲では、
メイプルにマホガニーのラインの他に
マホガニーにメイプルのライン、
そしてコアにメイプルのライン、
それぞれのライン無し

などでしたが、自分は見た目で圧倒的にメイプルにマホガニーラインが好きでした。知人のギタリストが、メイプルにマホ・ラインのEagleを所有していたので音を聴く機会があったんですが、このギターは非常に重く、「メイプル特有のミドルの強いアタックが特徴の非常に硬質なサウンドだな。」と感じました。
実はこれほどまでにメイプルのMockingbird が大好きだったにも拘わらず縁がなくて一度の所有もしたことがありませんが、うんと大人になってから、コアのEagleを所有していたことがあります。
ただメイプルのカッコよさが、忘れられずに手放してしまいましたが、自分の音の好みからいうとミドルにクセのあるメイプルよりも、よりフラットでナチュラルな鳴り方をするKOAボディの方が、自分にあっていたような気がします。


さて、前置きが恐ろしく長くなってしまいましたが、先日入荷いたしましたコチラのギター、ボディ材がメイプルのみではなく、バックにマホガニーをサンドすることによって、前述のような“硬質な音”ではなく、自然で気持ちよく鳴ってくれております。
また本機は“シュープリーム”と呼ばれるハイグレード・モデルで、ボディ・トップのメイプルに、気品ある3Dワイド・フレームが浮き出しており、ついつい目を奪われてしまいます。また重量も非常に軽量(なんと、3.5kg!ストラト並み!?)なのも嬉しい限りです。
P.U.は当時と変わらず、DIMARZIOのカスタム品で、フロントが“PAF/4condactor”リアが“DualSound”を搭載。

おなじみのエレトロニクスのコントローラーはネック側から、
マスターボリューム、
PUセレクター、
ブースターボリューム、
マスタートーン、
PUセレクター右下のミニスイッチがブースターのon/off、
その隣が6Pバリトーンスイッチ、
下に3つ並んだミニスイッチが、右側より、
フェイズアウト、
フロントPUタップ、
リアPUタップ、
という伝統のシステムです。
B.C.Rich特有の“くせ”が若干薄れている感はありますが、その分、あらゆるジャンルに対応出来る、“使えるカスタムギター”として、B.C.Rich Freakのみならず、個性的で刺激的なギターをお探しの全ての方にオススメしたい逸品です。

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  • 2009.05.12 Tuesday

この記事は2009.05.10 Sundayに書かれたものです。
5/9(土) 今日の東京は、日中非常に暑かったです。

さすがに夕方からはやや涼しくなったものの、今年もまた暑い夏になる予感が肌で感じられる一日でした。
オフィス街の真ん中にある当店ですが、こんな暑さだと
「歩いて5分くらいのところに海でもあれば、イルカと遊んで、癒されて...」
などと現実逃避を考えてしまいます。

そんな中始まりました、MAPLE MANIA企画。本日ご紹介の一本は
THORN ARTIZAN MASTER #230 DOLPHINEです。


残念ながら本物のイルカとは遊べませんでしたが、イルカをモチーフにした本物のギターと遊んでみましょう。

日本ではなかなか馴染みのないTHORN GUITARですが、製作者のRON THORN氏は米国のトップクラスのインレイ職人であり、米国内のトップ・ブランドの最高機種にインレイを施す職人として業界から絶大な信頼を得ています。
ロサンゼルスに拠点を置く同社は、縁あって数年前から宮地楽器と取引をさせていただき、オリジナルオーダーで作ってもらっています。
毎回その仕上がりの素晴らしさといったら、息が止まるほどの感動を受けますが、こちらのギターの美しさといったら、開けた瞬間、

   「LAの海がハードケースに入っている。」

                           ...強烈なインパクトでございました。

もともと好きな動物といえば
         「イルカ。」
好きなピックアップといえば
         「P-90。」
そんな僕がこのギターに魅せられるのもムリはございません。

この時点でもう音などどうでもいいくらい満足なのですが、
人間の欲とは深きもの。
全体の美しさ、キルトメイプルをくりぬいてボディ・トップにマッチさせたピックアップカバー、可愛らしいイルカのインレイや全体に散りばめられた装飾の数々を見渡してひとまずの満足を得たあとは、「これで音が普通だったら許せない」というワガママな感情に移ってゆくワケでございます。

さて、いよいよ店内特設試奏室、名器アビテックスにて試奏開始。
(楽器なのに音を出すまでに語るべき部分が多すぎ!)

最初はクリーンでアンプ・セッティング。
実に艶やかなクリアサウンド。メイプル・トップ・ボディによる立ち上がりの早いヌケのよいサウンドに、おそらくブラック・リンバのバックによって味付けされている、マホガニーよりわずかに軽めな音が印象。中音域よりやや高い周波数を感じるJAZZBARピックアップがボディ全体の鳴りを忠実にアウトプット。出したい音をすべてクリーンに出力するのでついつい本気で弾いてしまう。
(他のスタッフにヘタが悟られませんように...)

次に軽くクランチ。
P-90系を載せたギターはここが好き。ギター側のヴォリューム10で歪み、6くらいでクリーンになるようにアンプを微妙にセッティング。ピッキングの強弱のみで歪みをコントロールしてみます。
実にコントローラブルな演奏感覚。

オリジナルのトレモロ・ユニットも正面から見て左右対称な形。
見るからに重量バランスが良さそう。
これが功を奏しているのか、アーミングも実にスムーズな動き。
しばらく陶酔の境地。
他スタッフの「そろそろいいですか?」の問いかけも無視。完全に数分間自分の世界に入ってしまっておりました。
実に贅沢なお時間を過ごすことができるギターでございます。



イルカは人を癒してくれるといいますが、このギター、確かにイルカが宿っている「癒しのギター」と言っても過言ではないでしょう。
海辺で弾いたらイルカが寄ってくるかも知れないなどとまた妄想にふけてしまいます。
世界に一本限りの高品質。ぜひ一度ご覧ください。

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  • 2009.05.10 Sunday

この記事は2009.05.09 Saturdayに書かれたものです。
1970年代初頭、日本のギターメーカーがこぞってFenderやGibsonのコピーモノを作り始めた頃、ひときわ異彩を放ったメーカーがありました。そのメーカー名は“Gaban”…。
何が異彩かと申しますと、デビューモデルに於いては木部以外全て輸入ブランドのパーツを使用していた点です。その輸入ブランドというのが“Gibson”。そしてそれを発展させたというGaban Lespaul DX(FLG-DX650,700)は、当時では考えられないクオリティーを持ったギターとして一部のマニアたちの度肝を抜いたと共に、楽器に少しうるさい当時の学生さんの間でGabanブランドが流行した様です。
その背景には当時の東京で天才ギタリストの名を欲しいままにしていた“竹中尚人”さん(以下チャーさん)がGaban SG-CUSTOMを使用していたのもあるかと思われます。チャーさんの場合は「Gabanに知り合いがいて…」という記事を以前に読んだことがあるので、スタジオ・ミュージシャン兼ロック・アーティストとして売り出し中だった当時の彼の為、Gabanがカスタムで作ったモデルを使用していた可能性があります。いずれにせよ、そのギターの写真を見る限りではピックアップはGibson製でリアのPUカバーははずされており、その他の金属パーツもおそらくGibson製と思われます。

さて、そんなGabanというブランドですが、おそらく3年間(2年?)くらいで市場からその姿を消してしまうのです。そしてGabanというブランドに関して調べようとしても、詳しい資料が存在せず、ネットでいくら調べてもおおまかなことしか分かりません。数年前に「JAPAN VINTAGE」という本にGaban特集として掲載はされたものの、そこでもブランドの本質に迫るような書下ろしはなかったような気がしました。
ですので裏がとれない限り、ここでの中途半端なご説明ははぶきます(苦笑)。ご興味があられる方はネットでググってみても面白いかと思います。


そんなわけで、私個人としてもGabanの実物を見たことは数えるほどしかありません。しかも片手でです(笑)。最初は1980年代初頭(古っ!!苦笑)お茶の水の某楽器店に中古で吊るしてあるのをみかけました。チェリー・サンバーストのレスポール・カスタムだったかスタンダードだったか…今では記憶が曖昧です。もちろん、見かけただけですので詳細はわかりません。セットネックだったかネジ止めだったか…??。パーツはGibsonだったかそうでなかったか…??。今思うと試奏くらいはしておけば良かったですね(笑)。
次は数年前に行きつけの飲み屋のおやっさんが持ってたもの。息子にあげたいからとメンテナンスを頼まれて古いソフトケースをあけたらなんとっ!!!Gabanのレスポール・カスタムでした。ただし、デタッチャブル・ネック、ネジ止めでしたが。
音は味があって良かったですねえ〜〜ラブ
そして次も数年前、チャーさん好きのお客様が遂に手に入れたとお持ちになられたSG-CUSTOM(売りに来られたわけではありません念の為、笑)。

「えっっっ!!!マヂですか???SGカスタムぢゃないですかー」

と言いつつ裏を見たらっ。
んーーー、残念なことにコレもネジ止めあせあせ

私の中でGabanというメーカーはネジ止めが普通。セットネックものなんてホントにレアなのかという想いがよぎりました。


そしてっっ。目の前で見た現物、実に4本目にして初めてのセットネック。しかもSGが入荷しましたーーーっっっ!!!!もうまずGaban自体、市場に出ることが稀なのですが、コチラはしかもセットネックです。私も初めて見ましたっ。ただし、チャーさんファンの方々には残念なことに、SGでもスタンダードです。
でもこの雰囲気といいカラーリングは素晴らしい。しかも軽い!!しかもっ、こうして高級ギターと並べても見劣りしない。ピックアップもオリジナルのMAXON製。ポット、ジャック、SWは交換されておりませんが、VOL&TONEノブ、SWノブ、SWプレート、そしてペグは交換されております。(でもほとんど無加工で交換)ネックシェイプもほぼ当時のGibsonを彷彿とさせ、もちろん正常です(フレットはもともと低いので普通に弾くのであれば交換された方がよろしいかと)。



まずは出てこないギターだけにちょっと取り上げてみました。
店頭に展示してますよーーーおはな

          

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  • 2009.05.09 Saturday

この記事は2009.05.05 Tuesdayに書かれたものです。
5月9日から始まります「MIYAJI TRIATHLON FESTA 2009」第1弾“MAPLE MANIA”に先駆けて、目を見張るような美しい杢のメイプル・トップからプレーンなイースタン・ハード・メイプルまで、メイプル・トップのギターにスポットを当てようという今回の企画ですが、私が一番にご紹介したいのは
PRS McCARTY 1ST SANTANA-YELLOW”です。
PRSのギターと言えば、そのほとんどのギターが、あるクラス以上の美しい杢を持っていますが、個人的にはこのギターのように杢の幅が広い“ワイドフレーム”に心惹かれてしまいます。それに加えてPRSオリジナルの明るく鮮明な“SANTANA YELLOW”カラーが、この木目をより一層立体的に浮き上がらせており、眺めていてもぜんぜん飽きません。

そしてこのギターのなんと言っても極めつけの魅力は、ローズウッドネックということでしょう。「ローズウッド??そんなの普通じゃん!」と思わないで下さい。フィンガーボードじゃないですよ!ネック全部がローズウッドで出来てます!(PRSのギターは2006年までオプションでローズウッドのネックをオーダー出来たらしいので、そう驚くほどのことではないらしいのですが、ローズのワンピースネックなんてFENDERのオールローズ・テレ、あるいはシェクターのパーフェローネック以来だ!などとつい興奮してしまいます)
 
さて、ここで“マッカーティー・モデル”についてお話しさせて頂きます。ご存知の方には恐縮ですが少しお付き合い下さい。
1994年に登場したこのモデルはその名の通りテッド・マッカーティー(1950〜60年代にGIBSON社の社長を務めた人物で、伝説の名器レスポール・モデルの開発に深く関わっている)をアドバイザーに迎えて開発されたモデルでありまして、ポール・リード・スミス氏がPRS発売当初からのコンセプトである“GIBSONとFENDERの融合”というそれまでの同社のモデルとは異なったコンセプトで出来ており、外観こそ似ていますが、材質、構造ともに大きく異なっています
まず目に付くところでは、他のPRSモデルに標準装備のロー・マス・ロッキング・チューナーでなく、クルーソン・スタイルのキー・ストーン・チューナーを搭載している点です。これは単に見た目のスマートさを狙ったものではなく、目指すサウンドに基づいてのものらしいです。クルーソン・タイプのチューナーはストリング・ポストの長さがロック・チューナーのそれより短いので、それに合わせてヘッド部の厚さが1ミリほど薄く設計されています。また、重さもロック・チューナーより軽い為、ヘッドの厚みと相まってよりGIBSONライクな響きがするんですね。

そしてマッカーティー・モデルが他のモデルと違う最大の特徴はそのボディーの構造にあります。まずトップ材ですが、他のモデルがウエスト・コースト・フィギュアード・メイプルを使用しているのに対して、音響特性の異なるミシガン・メイプル(イースト・コースト・フィギュアード・メイプル)が選択され、バック材のホンジュラス・マホガニーも3.2ミリほど厚く設定されていることにより、よりヴィンテージ・トーンに近い響き方をするわけです。
そしてピックアップもパワーを抑えた、立体感のあるカバード・タイプのハムバッカーがこのモデルの為に開発され、ブリッジも通称“マッカーティー・ブリッジ”と呼ばれるPRSストップ・テイルが採用されています。
このようにテッド・マッカーティーのノウハウがふんだんに盛り込まれ、ポールのアイディアとの融合で出来上がったこのモデルは、ポール・リード・スミス氏がリスペクトしてやまない「レスポール・モデル」へのいわば挑戦ともいうべき画期的なモデルなんです。
そんなマッカーティー・モデルの中でも“ローズネック・オプション”の加わった贅沢なこのギター、飽きのこないカラーリングとワイドフレームも相まってまさに「これぞ」の一本にいかがでしょうか?


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  • 2009.05.05 Tuesday

この記事は2009.05.03 Sundayに書かれたものです。
      

はじめまして。
3月から神田店で勤務しているモーダです。よろしくお願いします。


今回メイプルトップ・ギター・オススメのこの一本としてご紹介するのは
コンバットギター、「COOLISH WARM」です。

妥協をゆるさぬクオリティーで良質なコンポーネント・ギターを製作しつづけるコンバットギターズですが、実は社長の本田氏と僕は古くからの知り合いでありまして、新しいコンポーネントギターを製作するときにはお互いの経験からアイデアを出し合ってイメージを形にして行ったりします。
つきあいも永くなると、イメージを形にしてくれるのもツーカーになってきまして、驚くべきことに今では「ガツーンとする音」とか、「ブイーンというヤツ」とか抽象的な言葉(ある意味長嶋的?)でOKなレベルまで達してます。
それでも毎回ほぼイメージ通りに仕上がってくるギターを見るたび、本田氏の行間を読む、あるいは空気を読むコンポーネント能力には頭が下がる思いです。

そんなツーカーな仲で作ったこのギター、ある日「モーダさん、いいメイプルがあるよ」との一言からコンバットの人気シリーズ、WARMをロングスケールで作ったらいいんじゃないかと、どちらからともなく決定しました。
良質なメイプルには良質のバック材を、ということでホンジュラス・マホガニーも即決。
ここまで決まれば、だいたい音は想像できてきます。

最初のイメージは「青」  

まだ加工されていないメイプルの板を見て、海のイメージができないかと相談しました。
僕の色に関する注文は
海に潜って5mくらいの水面下から太陽を見上げたような青いバースト。海のイメージだから、貝のインレイを入れて。」
と自分で言うのもなんですが、ホンマに伝わるかいな?といった抽象的なカラーリング。ふつう、サンバーストや単色のギターはたいがいうまく行きますが、大丈夫かいな?
音に関する注文は、
海のように透き通るクリーン・サウンド。しかも暖かい。」

待つこと3ヶ月くらいだったでしょうか?実際の色見本もなく、言葉だけで伝えたものが果たしてイメージ通りに出来るものだろうかと半信半疑な待ち時間を過ごしたものでした。
しかしながら、「完成したよー!」と電話をもらい、いざ納品日。
箱をあけると、なんとイメージ通りのギターがあるではないですか!
少し鳥肌がたったのを覚えています。
超クール!WARMなのに。
ということで一本限りのこのギター、名前を
COOLISH WARMとしました。
とても気に入ってます。ぜひ一度弾きにいらしてください。


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  • 2009.05.03 Sunday

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