この記事は2008.02.25 Mondayに書かれたものです。
過去数百年、あるいは数千年の楽器の歴史を考えた場合、板と棒を繋いだだけのエレキギターの歴史はせいぜい50ウン年の新参者。しかしながら楽器に電気を取り入れて一番最初に世界的に広まった革新的(?)楽器もエレキギターであり、だからこそエレキ、エレキと騒いでも、木を見て森見ずにならず、常に遊び心を持った感性でエレキギターと向き合って行きたいと日頃から感じます。
そしてエレキと言えば、ロックンロールの歴史=エレキギターの歴史と言っても過言ではなく、ロックにとり憑かれた若者が、同時にエレキギターそのものにとり憑かれることはよくあること。
クラプトンだって誰だって(クラプトンの場合はチャック・ベリーとか)、憧れのギタリストが弾いてる楽器、そしてそのサウンドがたぶんトラウマの様に心に染み入り、憧れのサウンド=良い音の代名詞としてその人の感性にインプットされ、それを追い求めた結果自分なりのサウンドを確立したのでしょう。
つまり、エレキギターが登場して以来半世紀以上、様々な才能ある名ギタリストあるいはベーシストにより、皆が共通して認識する素晴らしい名演が残されているように、それらのサウンドがエレキギター、あるいはベース本体の良い音の見本のようになっているわけです。
あ、音楽評論家のようなことを書いてしまいました。生意気ですみません(汗)。要するに何が言いたいかと申しますと、良い音の認識とは各自の嗜好であるというのがひとつ。
たとえばベンチャーズの音を良い音だと認識している人もいれば、ヴァンへイレンの音だと言う人もいれば、SRVだと言う人もいれば、スティーブ・クロッパーだとか、アル・マッケイだとか、やっぱエリックのおじさんでしょうとか、いやいやクラッシュだとか、ニルヴァーナだとか。。。つまり良い音というのは個人の好みでしかない…に行き着くのでは??ちなみに私は今挙げた人(グループ)に関しては全部好きな音ですし、良い音だと認識しております。
しかしそれと同時に、もっと深く掘り下げた良い音も存在します。どういうことかと申し上げますと、たとえばベンチャーズだったらベンチャーズなりなもっと良い音、それは太さだったり、艶だったり、枯れだったり、奥行き、音圧なんて言葉で表現しますが、そういう音がするギター&ベースを良いギター、ベースと普通は言うのではないでしょうか。
そして確かに昔の楽器にそういった個体が多いのは事実であり、だからこそ単にノスタルジックという意味合いでなくヴィンテージ需要が多いのも頷けます。
ただし、楽器として考えた場合、ヴィンテージを盲目的に崇拝するのもそれはどうか?という考えも存在しますし、いや最後はヴィンテージに行き着くという考えも存在します。
たとえばジミヘンなどは当時の新品であのサウンドを奏でていますし、ストラトとマーシャルという組み合わせは当時で言えば斬新この上なく、今まで誰もやっていなかったその後のスタンダードなサウンドを創造しています。日本で言えばチャーさんのムスタングなんかもそうですが、普通の(当時の)常識からみたら考えられない使用方法を自分で作ってしまうやり方はどこかやはりエレキをある意味遊び道具と言いましょうか、遊び心を持った感性で向き合っていたからこそ出来た結果なのかもしれません。
いずれにせよ、エレキギターという楽器の歴史自体が浅いわけですから、当然過去の伝統等に縛られないのが良いところであり、その自由な感覚で弾ける、創造出来るところにロックという音楽と同時進行で歩んできたスタイルがあるのでしょう。
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- 2008.02.25 Monday