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FAX:03-3255-0382

 
この記事は2010.09.12 Sundayに書かれたものです。



ヴィンテージ・ギターを所有することを考える場合、大きくふた通りの考え方があります。
ひとつは嗜好品として捉える場合、もうひとつは自身のサウンドを奏でる道具として捉える場合。
そのどちらも間違いなくヴィンテージを所有する大きな理由でありますし、このどちらかでないといけないのではなく、両者のグレーゾーンももちろん存在します。
ギター雑誌等を見ると若手/ベテラン、国内/国外問わない多くのギタリストがヴィンテージ・ギターを所有し、その愛器の写真が何本も掲載されていたり、それを見て「自分も生涯の一本を…」なんて感じてしまうことはよくあることでしょう。

ではヴィンテージ・ギターというのは何故そこまでギタリストの憧れであり、現在でもその輝きを放ち続けるのか?そして内外のギターメーカーがこぞってヴィンテージ・レプリカを発売し続けるのか??その理由に迫ろうと去年から続けているコチラのコーナーですが、今回は1本のギターを掘り下げるのではなく、大きくヴィンテージ・ギターのその魅力について一緒に考えていきたいと思います。


さて、実は数ヶ月前に私が接客させていただいたお客様に、年のころなら20代半ばのおとなしめでとても綺麗な女性がいらっしゃいました。

それは土曜日でした。
珍しくヴィンテージ・ギターのブースにその女性がずっとギターを眺めてたのです。しばらくの間そこはちょっとした異空間であり(苦笑)。 そして何やら紙にいろいろ書いている。なんだろう??ちょっと気にはなったので、コチラも恐る恐る

「なにか興味おありですか?」

すると「…い、いえ」

自分の世界に入り込んでいるゆえ、まあ邪魔してはならぬとそれ以上はこちらも何も言わず。
その後、何十分か経過後、結局その女性は楽譜というか本を一冊もってレジに来ました。ふむふむ。 土曜日はそれで終わり、普通なら全く記憶から遠ざかる出来事です。


そうしたら翌日、日曜の午前中か昼頃、その女性がまた同じ場所からヴィンテージ・ギターを眺めている。たまたま近くにあるPCの場所にいてそれに気付いた私はそっと近寄りつつ、またまた恐る恐る(笑)

「ヴィンテージ・ギターに興味がおありなんですか?昨日もいらしてましたね」

かなり緊張気味のその女性

「え、ええ…すごく好きなんです。え、でも実は私ギターのことってよくわかってないんですけど、素敵だなあと思って…」

「そうなんですか…」


そしていろいろ話を聞いていると、実はレッチリのジョン・フルシアンテのファンの方らしく、ギターを始めたいのだが何にして良いかわからなくて、だったらジョンと同じモノをと考えていろいろ調べていたら、彼が使っているのがヴィンテージのストラトで100万以上するものなのがわかったらしい。でもストラトキャスターが何なのか?テレキャスターが何なのか??とにかく何も知らないわけで、その説明を彼女は楽器屋に聞きたかったのだが、いろいろ心境的に複雑だったと。そんなわけだったらしいのです。
というわけでっ、ここぞとばかりに教えてあげました(笑)。ヴィンテージとは何か、フェンダーとは何か、ストラトとは何か、そしてエレキギターとは何か…。もちろん、新品のフェンダーも紹介しつつ(何故か女性は全く興味を示さない)、興味はあるというこれまたヴィンテージのムスタングの歴史も説明し、全くもって歴史の勉強の様な接客でしたが(苦笑)、その女性はいちいち納得しておられたので相当頭が良い人だろうとは感じたわけです。



そしてまたその方が戻った場所は土曜と同じ場所…。
目線で言えば45度上の方に立てかけてある66年製のストラトをじっと眺めている。

「やはりストラトがいいです」

どこかうつろな目をしながらそう呟きました。
66年製のストラトがジョン・フルシアンテのギターとは年代が違うことはすでに説明済みであり(彼のは50年代のサンバーストとプリCBSのサンバーストローズで、実は私もジョン・フルシアンテってマニアでないけれど好きなギタリストなので、彼の使用しているギターは大体知ってたわけです)、それでも本物のヴィンテージからのみ発せられるオーラに惹かれているのは横にいてわかって、実は私も以前そういう時期があってこんな仕事をやっているので、そんな彼女の気持ちがよーく判るわけです。

するとためらいがちに奥ゆかしく66年製のストラトを見上げながら

「あのストラトが好きかもしれません」


私「ぢゃ下に降ろしますんで心ゆくまで見て触って良いですよ」

2本あった同じ年代のストラトをスタンドに立てかけて見せたのですが、直感的にというか触りもしないでそのうちの片方が良いという(バックパネルのスプリングカバーが付いていたというのもあったのかもしれません)。
ちなみにああいった時の女性の決断力の早さと芯の強さは半端ではないです(汗)。

もう片方のストラトは見向きもせず、ただ迷っているのは買うか買わないかだけといった様子。
目に落ち着きが全くなくなり泳いでいる。その表情がなんとも素敵であって、しかも奥ゆかしいゆえコチラも何故かキュンとくる(笑)。ただ普段接客する時ほど簡単に背中を押せないのは、それが98万もするギターだからであり。


「とりあえず音聴いてみます??」

「いえ、あのー」

「わかってます。自分が弾きますんで横で聴いていて下さい」


そうしますというので試演室に入ったんですが、そこから緊張するのは逆にこちらです。だってあれだけウンチクたれておいて、これで音のイメージが違うと一言言われたら楽器屋としてしばらくは立ち上がれませんっあせあせ(飛び散る汗)
そんなわけで気合いの演奏(苦笑)。
ちなみにその女性ですが、これからギターを始める人です。音楽教室にも通いたいとおっしゃっていたので私が「こんなギターを教室になんて持っていったら先生ビビりますよ(笑)」なんて言ったら真顔で「やはりヤメた方がいいですか?生意気ですよね全然弾けないのに」と言うから私
「いえいえいえいえいえいえっ」と首を何回も横に振りました次第です(苦笑)。



音を出してしばらくしたらご満悦の表情(ほっと肩の荷が下りる)。するとまた落ち着きが無くなり、目が泳ぐ。考えてるなあ…と思ったのですがあまり余計なことを言うのはやめてその方の意思にその場は任せました。
で、ちょっと間を空けて、軽い感じで「いっちゃいますか?笑」と言うと「はい」と女性。

「ありがとうございます」


そんなわけで最終的にそのお客様ですが、98万円もする66年製のストラトとアンプも必要ですよね?とおっしゃるので勧めた練習用マーシャルギターアンプ12,600円をお買い上げになったんですが、そのギターとアンプのアンバランスさと言ったら今まで見たことが無いくらい究極でありました(爆)。
でもカッコ良いですっ。買い方がまさに音楽が好きで、憧れて、自分も弾きたくなってという久々に爽快でコチラを感動させてくれる様な素晴らしいお客様でした(アンプなんて本当はサービスで付けたい金額なんですが、事情がありまして申し訳ないですって感じであり)。

そして清算の際、支払いのデビットが通らず、銀行に引き出しに行ってくれたんですが、待っている間は複雑でした。このまま帰ってこないんぢゃないかとか。こういったカタチで裏切られるとショック大きいんですよねトラウマになるというか(笑)。
しばらくして戻って来てくれて「ほっ」。時間がかかったのは50万までしか引き出せなかったかららしい(今は一日に50万以上の現金引き出しは無理なんですねー、そんな大金ないからわかりませがっ、苦笑)。まあそれはそれで50万という頭金を頂き目出たく商談成立。ちょっと可哀想だったのは銀行側の都合でこの日にお持ち帰り出来なかったということです。代わりに写真を撮らせてくれとおっしゃるので、いかようにもなわけでした。


それにしてもっ。私のキャリアの中で歴代3本指に入るこの日の出来事でした。
もう、その女性がギターを取りに来られるまで完璧に調整してあげて待っていようかと思いまして、嫁に出すというより婿に出す感じ??(笑)
そして数日後めでたく、そのギターはその方の所有物になったわけです。



ヴィンテージ・ギターというものを考える時、前述いたしました通り、嗜好品として持つという考え方と道具として持つという考え方はあります。それはどちらでも良いのです。
ただし、私の考え方を僭越ながら申し上げるならば、それはいつまでも音楽に対する愛情だったり、憧れだったり、夢であって欲しい。ただ金儲けの為だけに右から左へ取引されるのはこういう仕事をしていて矛盾はしておりますが、悲しいことです。
やはり楽器ゆえ、ギターの方も大切にして下さるお客様のもとに嫁ぎたいに決まっております。

そして、ヴィンテージ・ギターというのはコレクターズ・アイテムとしても、プロユースな道具に於いてもある意味究極なギターたちです。
オーナーが大切にすればするほど“数10年熟成してからでしか出ない本当の豊潤なサウンドとその奥深い魅力”を放ち続けてくれることでしょう。

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