この記事は2009.06.02 Tuesdayに書かれたものです。
このコーナーも実に10回目を迎えました。今まで大体おおまかな歪み系エフェクターの種類、そして使用方法を皆さんと一緒に考えてきました。
皆さんそれぞれが好みやこだわり、あるいは経験により、ご自身に合った歪み系を選択され使われているでしょうし、仮にまだ「これが自分の音」という機種がみつかっていないにせよ、それを求めて日々探求(?)を続けられていることと思います。
いずれにせよエフェクターの世界に限らず、あまりにもいろいろな製品があり過ぎて本当にその選択に困るのは確かです。そして冒頭にも書きました通り、今後は良いモノのみが残っていくことになるのは間違いないでしょう。
ただし、こちらも冒頭に書きましたが、良いモノとは使う側の好みで決まってくるということです。ある人には良いモノであってもある人には悪いモノにもなるわけですので、いちがいに良い悪いは判断出来ないわけであり、当然私ごときが私の好みだけでウンチクを述べるつもりは毛頭ございません(笑)。こちらではあくまで客観性を念頭に置き、商品等をご紹介させて頂いているわけです。
ということで前置きが長くなりましたが、歪み系エフェクターの話も架橋の架橋となりました。最後にお話したいのは一番シンプルで一番歴史が古く、かつ一番深いであろう純粋な(?)「ブースター」のお話です。次回と合わせまして2回連続でお話させて頂きたいと思います。
さてブースターのお話をする前に、本来、何故ブースターというものが使用され始めたのか?そして「ディストーション・サウンド」とは一体何だったのか??まずはこのあたりに視点を置かないとならないでしょう。
ディストーション・サウンドがこの世に登場したいきさつは通説として以前別のタイトルで書かせて頂いたのでそちらをご参考頂くとして、結局ギターの歪み音(ディストーション・サウンド)というのはマーシャルアンプという存在があって初めて産声をあげたというのが一般的に言われるところであり、マーシャルというアンプとは切っても切れない縁にある様なのです。
次にお話する情報のソースは信憑性が定かでないので皆さん半信半疑で聞いて頂いて結構なのですが、実はブルース・ブレイカーズのアルバムでクラプトンが使用したアンプは、あの有名な後にBLUES BREAKERと呼ばれるコンボタイプのアンプ(MODEL 1962)ではなかったらしいのです。アルバム裏ジャケットに映っているあのアンプに関しては、あくまでステージ用であの場所にはサブとして置いてあったとのこと。
では本当は一体何を使っていたのでしょうか??
これが特注の18Wのマーシャルだったということらしいんですね(奇遇か、たしか数年前に発売されたハンドメイド・コンボアンプ(1974X)は18Wでしたね)。そしてそれにダラス・レンジマスター(ブースター)をかましてよりハイゲインにしたのがあのサウンドなのだそうです。そして当時のクラプトンはその秘密がバレるのを恐れて、決して口外しなかったと言います。またジム・マーシャルもそんなクラプトンに気を使い、口外しなかったと述懐していたとその情報をくれた方はおっしゃっていました(ちなみにその人は直接ジム・マーシャルから聞いたそうです、苦笑)。これは非常に興味が湧く内容です。
確かにこの話は理にかなっていて、18Wならば、当時の一発録音のレコーディングでもまわりの楽器に音が被る事もなく、バランス良く歪んだ音を出せた筈であり、しかもブースターをかますことによって、よりアグレッシブなサウンドを得られるわけです。
そうなると逆に考えれば、ディストーション・サウンドとは決してあのレコーディングの偶然の産物ではなく、最初からクラプトンの頭の中には“ディストーション・サウンド”のイメージがあったのであり、ジム・マーシャルもそれに協力していたという事実が浮かび上がります。
そしてレンジマスターが、よりハイゲインなサウンド作りの為に使われていたとしたならば、ディストーション・サウンドが確立された(と一般的に言われる)その時点で、ブースターとアンプとは対(つい)であったということが言えます。この意味は非常に大きいです。
そんなわけで、ディストーション・サウンドの確立時点でブースターというエフェクターがそのサウンド作りにウェイトを占めていたのなら、当然その情報はどこからか漏れるでしょうから、後のアーティストもマーシャルを使う場合にブースターを使用していたのは歴然です。
たとえばジミヘンならば、ダラスのファズフェイスをブースターの使用方法で使い、ストラトキャスターの潜在能力を引き出しました。リッチー・ブラックモアもホーン・ビー・スキューズというコチラも60年代に僅かに生産されたブースターを使用し、あの切り裂くような音圧のサウンドを出していたことが近年になって明らかになったりしています。
さて、ここで違う視点からブースターというものを考えましょう。エフェクターのアウトレベルを上げることにより(ギターからアンプへの信号を増幅させて)、アンプのプリ部に負荷をかけゲインとサスティーンをアップさせるモノがブースターだとしたら、それをブースターと名の付くエフェクターで行わなくても、アウトレベルを増幅出来るものであれば全く系統の違う(歪み系でない)エフェクターで同じことを行うことは可能なわけです。
確かに60年代からそうした使い方をしているアーティストは非常にたくさんおります。
オモシロイのは通常そうは使わないモノ、たとえばテープエコーやコンプレッサー、またはアナログディレイやコーラスまでがそうして使われていたこと。
特にコーラスのBOSS CE-1に関してはレベルを上げた時に歪む特性を利用してゲインブースター(回路を通した時の音質を重視してとなるとプリアンプという言い方も出来る)として裏技で(?)使用されてきたことには驚かされます。
いずれにせよ、この様にブースターとは近代のギターサウンドが確立された頃から、アンプたちの良きパートナー、サポーターであり続けたわけであり、それは現在でも続いているわけです。
皆さんそれぞれが好みやこだわり、あるいは経験により、ご自身に合った歪み系を選択され使われているでしょうし、仮にまだ「これが自分の音」という機種がみつかっていないにせよ、それを求めて日々探求(?)を続けられていることと思います。
いずれにせよエフェクターの世界に限らず、あまりにもいろいろな製品があり過ぎて本当にその選択に困るのは確かです。そして冒頭にも書きました通り、今後は良いモノのみが残っていくことになるのは間違いないでしょう。
ただし、こちらも冒頭に書きましたが、良いモノとは使う側の好みで決まってくるということです。ある人には良いモノであってもある人には悪いモノにもなるわけですので、いちがいに良い悪いは判断出来ないわけであり、当然私ごときが私の好みだけでウンチクを述べるつもりは毛頭ございません(笑)。こちらではあくまで客観性を念頭に置き、商品等をご紹介させて頂いているわけです。
ということで前置きが長くなりましたが、歪み系エフェクターの話も架橋の架橋となりました。最後にお話したいのは一番シンプルで一番歴史が古く、かつ一番深いであろう純粋な(?)「ブースター」のお話です。次回と合わせまして2回連続でお話させて頂きたいと思います。
さてブースターのお話をする前に、本来、何故ブースターというものが使用され始めたのか?そして「ディストーション・サウンド」とは一体何だったのか??まずはこのあたりに視点を置かないとならないでしょう。
ディストーション・サウンドがこの世に登場したいきさつは通説として以前別のタイトルで書かせて頂いたのでそちらをご参考頂くとして、結局ギターの歪み音(ディストーション・サウンド)というのはマーシャルアンプという存在があって初めて産声をあげたというのが一般的に言われるところであり、マーシャルというアンプとは切っても切れない縁にある様なのです。
次にお話する情報のソースは信憑性が定かでないので皆さん半信半疑で聞いて頂いて結構なのですが、実はブルース・ブレイカーズのアルバムでクラプトンが使用したアンプは、あの有名な後にBLUES BREAKERと呼ばれるコンボタイプのアンプ(MODEL 1962)ではなかったらしいのです。アルバム裏ジャケットに映っているあのアンプに関しては、あくまでステージ用であの場所にはサブとして置いてあったとのこと。
では本当は一体何を使っていたのでしょうか??
これが特注の18Wのマーシャルだったということらしいんですね(奇遇か、たしか数年前に発売されたハンドメイド・コンボアンプ(1974X)は18Wでしたね)。そしてそれにダラス・レンジマスター(ブースター)をかましてよりハイゲインにしたのがあのサウンドなのだそうです。そして当時のクラプトンはその秘密がバレるのを恐れて、決して口外しなかったと言います。またジム・マーシャルもそんなクラプトンに気を使い、口外しなかったと述懐していたとその情報をくれた方はおっしゃっていました(ちなみにその人は直接ジム・マーシャルから聞いたそうです、苦笑)。これは非常に興味が湧く内容です。
確かにこの話は理にかなっていて、18Wならば、当時の一発録音のレコーディングでもまわりの楽器に音が被る事もなく、バランス良く歪んだ音を出せた筈であり、しかもブースターをかますことによって、よりアグレッシブなサウンドを得られるわけです。
そうなると逆に考えれば、ディストーション・サウンドとは決してあのレコーディングの偶然の産物ではなく、最初からクラプトンの頭の中には“ディストーション・サウンド”のイメージがあったのであり、ジム・マーシャルもそれに協力していたという事実が浮かび上がります。
そしてレンジマスターが、よりハイゲインなサウンド作りの為に使われていたとしたならば、ディストーション・サウンドが確立された(と一般的に言われる)その時点で、ブースターとアンプとは対(つい)であったということが言えます。この意味は非常に大きいです。
そんなわけで、ディストーション・サウンドの確立時点でブースターというエフェクターがそのサウンド作りにウェイトを占めていたのなら、当然その情報はどこからか漏れるでしょうから、後のアーティストもマーシャルを使う場合にブースターを使用していたのは歴然です。
たとえばジミヘンならば、ダラスのファズフェイスをブースターの使用方法で使い、ストラトキャスターの潜在能力を引き出しました。リッチー・ブラックモアもホーン・ビー・スキューズというコチラも60年代に僅かに生産されたブースターを使用し、あの切り裂くような音圧のサウンドを出していたことが近年になって明らかになったりしています。
さて、ここで違う視点からブースターというものを考えましょう。エフェクターのアウトレベルを上げることにより(ギターからアンプへの信号を増幅させて)、アンプのプリ部に負荷をかけゲインとサスティーンをアップさせるモノがブースターだとしたら、それをブースターと名の付くエフェクターで行わなくても、アウトレベルを増幅出来るものであれば全く系統の違う(歪み系でない)エフェクターで同じことを行うことは可能なわけです。
確かに60年代からそうした使い方をしているアーティストは非常にたくさんおります。
オモシロイのは通常そうは使わないモノ、たとえばテープエコーやコンプレッサー、またはアナログディレイやコーラスまでがそうして使われていたこと。
特にコーラスのBOSS CE-1に関してはレベルを上げた時に歪む特性を利用してゲインブースター(回路を通した時の音質を重視してとなるとプリアンプという言い方も出来る)として裏技で(?)使用されてきたことには驚かされます。
いずれにせよ、この様にブースターとは近代のギターサウンドが確立された頃から、アンプたちの良きパートナー、サポーターであり続けたわけであり、それは現在でも続いているわけです。
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